2018.09.27 16:04背景にある軍事威嚇 中国の太平洋進出戦略②<南シナ海から南太平洋へ軍事力を展開>前回、冒頭でも触れたナウルの国際会議で見せた中国代表団の態度のように、中国が太平洋島嶼国に対して傲慢に振る舞えるのは、中国がこれらの地域に対して傲然と示すに至った軍事力が背景にあるのは間違いない。中国はここ数年で、海兵隊の兵力を1万から3万人...
2018.09.27 16:01なぜそれほど傲慢なのか?中国の太平洋進出戦略①<島嶼国で起こした中国の外交騒動>太平洋に浮かぶ小さな島国が、巨大覇権国・中国に真っ向から喧嘩を売ることになった。ナウル共和国は人口1万人弱、バチカンなどに次いで世界で4番目に少ない。国土面積21㎢は3番目の小ささだ。中国にとっては、それこそ吹けば飛ぶような、取るに足らない存在か...
2018.07.29 15:29脱中華の東南アジア史⑰ ブギス人編⑤<「海の帝国」の主役を期待されたブギス人>ラッフルズの「海の帝国」構想の主役であり、これらの海域の交易ネットワークを担う存在として、ラッフルズが注目したのがブギス・マカッサル人だった。彼らは東南アジアの海で、海賊、傭兵、商人などとして知られ、17,18世紀には、マレー半島からオー...
2018.07.29 15:08脱中華の東南アジア史⑯ ブギス人編④<ラッフルズの夢、新たな地域秩序づくり> シンガポールは今年、トランプ大統領とキム・ジョンウン委員長の米朝首脳会談(6月12日)の開催場所となり、世界から3000人を超えるマスコミ関係者が集まるなど大いに注目された。しかし期待した割には、会談結果には中身がなく、あまりに完璧に仕組...
2018.07.22 07:33脱中華の東南アジア史⑮ ブギス人編③<18世紀アジアの海を支配したブギス人>マカッサル戦争に敗れたあと、スラウェシ島を追われたブギス・マカッサル人たちのその後を振り返っておきたい。
2018.07.16 13:30脱中華の東南アジア史⑭ ブギス人編②<国家ぐるみの海賊集団「東インド会社」>16世紀、ヨーロッパでは、カトリックを信奉する二つの王国、ポルトガルとスペインによる世界分割統治計画いわゆる「デマルカシオン体制」に対抗して、新興勢力であるプロテスタントのイギリスとオランダが、海の覇権を狙って力を蓄えていた。スペインとポル...
2018.07.16 09:55脱中華の東南アジア史⑬ ブギス人編①<インド太平洋を縦横に航海した海洋民族>16世紀から18世紀にかけて、東南アジアの人々が、西洋と本格的に出会った大航海時代から植民地時代にかけて、現在のインドネシアの島々を拠点に、帆船を駆使して東南アジアからインド洋、南太平洋を航海し、幅広く交易・通商活動に従事した海洋民族がいた...
2018.06.17 15:13脱中華の東南アジア史⑫ 大航海時代と日本<大航海時代・西洋の挑戦に対する秀吉の応答>秀吉の海外戦略に話を戻すと、2度にわたる朝鮮出兵(文禄・慶長の役1592~98年)の前から、秀吉は唐(明国)や南蛮(東南アジア)、天竺(インド)への征服構想を口にしていた。「南蛮」とはポルトガルやスペインが拠点とするマラッカやマニラなど...
2018.06.16 09:14脱中華の東南アジア史⑪大航海時代と日本<東南アジアの大航海は先史時代から>15世紀から17世紀にかけて、羅針盤の改良と航海技術の発達によって、いわゆる「大航海時代」が始まる。「大航海時代」という言葉は、もともとは日本のラテンアメリカ史を専門とする歴史学者、増田義郎によって最初に使われた学術用語だった。しかし英語圏の人...
2018.05.23 15:50東南アジアで増殖する中国植民都市<中国資本で開発される中国人移民都市>マレーシアでは、92歳のマハティール氏が野党連合を率いて総選挙に勝利し、15年ぶりに首相に返り咲いた。マハティール氏が選挙戦のなかで前政権の腐敗の象徴として攻撃したのが、中国資本による巨大開発事業だった。「フォレストシティ」(中国名「森林都市...
2018.03.08 15:14脱中華の東南アジア史 ⑤ ~東南アジア4か国世界遺産の旅から考えたこと~<「大河ドラマ」級の王朝物語はいくつもある>「港市国家」の歴史からも分かるように、古くからこの地域に暮らす人々がいて、さまざまな経済活動を行い、独自の文化や技術を発展させ、住民を富と力で支配する実力者が出現し、やがて王...