2018.07.29 15:29脱中華の東南アジア史⑰ ブギス人編⑤<「海の帝国」の主役を期待されたブギス人>ラッフルズの「海の帝国」構想の主役であり、これらの海域の交易ネットワークを担う存在として、ラッフルズが注目したのがブギス・マカッサル人だった。彼らは東南アジアの海で、海賊、傭兵、商人などとして知られ、17,18世紀には、マレー半島からオー...
2018.07.29 15:08脱中華の東南アジア史⑯ ブギス人編④<ラッフルズの夢、新たな地域秩序づくり> シンガポールは今年、トランプ大統領とキム・ジョンウン委員長の米朝首脳会談(6月12日)の開催場所となり、世界から3000人を超えるマスコミ関係者が集まるなど大いに注目された。しかし期待した割には、会談結果には中身がなく、あまりに完璧に仕組...
2018.07.22 07:33脱中華の東南アジア史⑮ ブギス人編③<18世紀アジアの海を支配したブギス人>マカッサル戦争に敗れたあと、スラウェシ島を追われたブギス・マカッサル人たちのその後を振り返っておきたい。
2018.07.16 13:30脱中華の東南アジア史⑭ ブギス人編②<国家ぐるみの海賊集団「東インド会社」>16世紀、ヨーロッパでは、カトリックを信奉する二つの王国、ポルトガルとスペインによる世界分割統治計画いわゆる「デマルカシオン体制」に対抗して、新興勢力であるプロテスタントのイギリスとオランダが、海の覇権を狙って力を蓄えていた。スペインとポル...
2018.07.16 09:55脱中華の東南アジア史⑬ ブギス人編①<インド太平洋を縦横に航海した海洋民族>16世紀から18世紀にかけて、東南アジアの人々が、西洋と本格的に出会った大航海時代から植民地時代にかけて、現在のインドネシアの島々を拠点に、帆船を駆使して東南アジアからインド洋、南太平洋を航海し、幅広く交易・通商活動に従事した海洋民族がいた...
2018.06.17 15:13脱中華の東南アジア史⑫ 大航海時代と日本<大航海時代・西洋の挑戦に対する秀吉の応答>秀吉の海外戦略に話を戻すと、2度にわたる朝鮮出兵(文禄・慶長の役1592~98年)の前から、秀吉は唐(明国)や南蛮(東南アジア)、天竺(インド)への征服構想を口にしていた。「南蛮」とはポルトガルやスペインが拠点とするマラッカやマニラなど...
2018.06.16 09:14脱中華の東南アジア史⑪大航海時代と日本<東南アジアの大航海は先史時代から>15世紀から17世紀にかけて、羅針盤の改良と航海技術の発達によって、いわゆる「大航海時代」が始まる。「大航海時代」という言葉は、もともとは日本のラテンアメリカ史を専門とする歴史学者、増田義郎によって最初に使われた学術用語だった。しかし英語圏の人...
2018.05.23 15:50東南アジアで増殖する中国植民都市<中国資本で開発される中国人移民都市>マレーシアでは、92歳のマハティール氏が野党連合を率いて総選挙に勝利し、15年ぶりに首相に返り咲いた。マハティール氏が選挙戦のなかで前政権の腐敗の象徴として攻撃したのが、中国資本による巨大開発事業だった。「フォレストシティ」(中国名「森林都市...
2018.05.13 07:56「一帯一路」パキスタン・グワダル港 C4ADS報告より<安全保障のジレンマと回収不能コスト>グワダル港は周辺の国からは中国が海外に置く初めての海軍基地だと見なされている。パキスタンにとっては膨らむ負債は長期的な経済の活力をむしばむ恐れがあり、中国にとってはインフラ投資で回収不能コスト(埋没費用sunk costs)が発生する懸念があ...
2018.05.13 07:38「一帯一路」スリランカ港湾開発 C4ADS報告より<スリランカ・ハンバントタ港 借金の罠と民主主義の危機>中国にとって、スリランカは「戦略支援国家」(strategic support states)だと言われる。当面は利益を生み出すとは思えないスリランカのインフラ建設に投資するのも地政学的、戦略的な価値を持つからだ。あまり意味...
2018.05.13 07:31「一帯一路」カンボジア沿岸巨大開発 C4ADS報告より<違法な土地取得と中国海軍の拠点づくり>カンボジア南部、タイ湾に面した沿岸地区で中国企業による巨大開発事業が進められている。総面積は36000ヘクタール、海岸線の長さにすると90キロに渉る沿岸部の土地(この距離はカンボジアの海岸線の20%をあたる)を中国企業が独占し、コンセッショ...
2018.05.13 07:16「一帯一路」の甘い罠と軍事利用中国首相の公賓としての来日は温家宝以来、なんと11年ぶりだという。日中韓首脳会議(5月8日)に合わせてようやく実現した李克強の来日では、安倍総理が北海道視察のすべてに同行するなど厚遇ぶりが際立った。ところで今回の日中首脳会談の成果として注目されたのは、東シナ海での不測の事態に対処...